新聞記事に著作権があることは、皆さまもご存知の通りです。企業などで、新聞記事の切抜きをコピー(複製)して社内の会議の資料としてお使いになる場合も、権利者である新聞社の了解を得る必要があります。しかし、会議などのたびに新聞社に連絡して了解を得たり、著作権料を支払ったりすることは、双方に手間がかかり、あまり実際的ではありません。そこで「新聞著作権協議会」(略称・新著協)の加盟社は、皆さまが簡便に新聞記事をご利用いただけるよう、この協議会を通じて、少部数のコピーやPDF化などの電磁的複製を認める権利を著作権等管理事業者である公益社団法人「日本複製権センター」に委託しました。
新聞著作権協議会は、「一般社団法人日本新聞協会」に加盟する新聞社・通信社の有志社で構成されています。新聞記事をご利用の皆さまは、日本複製権センターと包括的な年間利用契約を結べば、いちいち個々の新聞社と連絡をとることなく、下記の範囲内で新聞記事のコピーやPDF化に関する著作権法上の問題をクリアーすることができます。
(1)
1回につき20部以内の紙へのコピー
(2)
紙面をPDFなどに電磁化し、同じ会社内で30人以内で共有
(3)
会議用など、企業・団体の内部で使用するもの(クリッピングは委託対象外です)
(4)
コピーの対象は、新聞著作権協議会加盟の新聞(社外筆者の記事、社外カメラマンの写真、外国通信社の記事など、著作権者が新著協加盟社以外である記事等は、委託対象外です)
企業・官公庁内で、組織的、継続的に記事をコピーする「クリッピング・サービス」(下部に注書き)など、この範囲を超えるコピーについての権利は、個々の新聞社に属しますので、各新聞社へご照会、ご連絡ください。
新聞社は、報道機関として、記事を1人でも多くの方々に目にしていただくことが大切である、と考えています。しかし、記事の複製利用は、適正なルールに従って行っていただくことが必要です。デジタル・ネットワーク化の進展に伴い違法な複製が増加し、紙の上のコピーについても放置できない状況となっていることは、ぜひ、皆さまにもご理解いただきたいと思います。新聞記事について「自由に利用してよいものだ」との誤った観念が広まれば、企業活動に影響を及ぼし、ひいては報道機関としての公共的な使命が十分に果たせなくなることにもなりかねません。
新聞をはじめとする著作物の複製利用について法的問題を解決しておくことも、コンプライアンス活動の一環です。私ども新聞著作権協議会は、その受け皿としての機能を果たすため、今後も加盟する新聞社を増やしていく考えです。企業・団体の皆さまには、私どもの活動・目的をご理解のうえ、日本複製権センターと契約を結んでいただけますよう、ご理解とご協力をお願いいたします。なお、新著協は2020年3月2日に一般社団法人に移行しました。
<クリッピング・サービスとは>
新聞の記事を、組織的・継続的・反復的に複製し、情報共有等のために会社等の組織内で利用することを指します。クリッピングと見なされる利用の頻度については、「一媒体の記事を、同一組織または同一部署の中で、概ね月5記事以上利用する場合は、クリッピングに相当する」を基準とします。このような頻度での利用は、複製部数にかかわらず「クリッピング・サービス」に該当します。クリッピング・サービスをご利用の場合は、原則、新聞社との契約が必要です。複製の対象となっている新聞の発行社にお問い合わせいただくようお願いいたします。
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· 加盟社一覧(発行紙名・担当部署・連絡先)
<参考>
I. 日本新聞協会の「新聞著作権に関する日本新聞協会編集委員会の見解」(1978)(PDF)
II. ネットワーク上の著作権について(1997)(PDF)